「日本、この国の現実?!」──幼友達からの手紙2012年01月02日 15:37

 幼友達のIちゃんから、突然ぶあつい封書がおくられてきた。彼女はいま三重の田舎で捨て猫や棄て犬を引き取って面倒をみているんやけど、わたしもIちゃんにはずいぶん面倒をみてもらった。
 わたしらは若いころ、ヒッピーというよりフーテンで、いまでもそんなふうやけど、彼女はパソコンとかツイッターとかブログともまるで縁のない生活をしてる。それが、こんどの3・11で呆然となって、福島原発事故に怒り心頭で、福島から三重に避難して来たひとが主催した集りに出かけていった。その集りで、Iちゃんはこの国の有様を外国にしらせねばと強く思ったらしい。
 しかし、自分にはその手段も手だても方法もわからない。外国語もできない。そこで、たしかブログなるものをやっていた「さっちゃん」を思い出して、これをそこで流してくれないか──という必死の依頼なのだった。
 これは、新聞の抜き書き帳にも似て、たぶんこのブログをたまに見るひとの「切り抜き帳」とも重なるやろ。でも、Iちゃんが書き出したものをまとめて読んでいくと、「この国の現実」というものが、改めて浮き彫りにされていて、彼女の強い怒りに共感する。そして、こんなことしかできないけどと、猫犬のこと以外はすべてうっちゃてやった彼女の切羽詰まった気持ちに打たれた。
 「おさきまっくろ」に載せても、Iちゃんの期待どおりにはいかんと思うけど、何人かのひとの目にはとどくやろ。それに希望を託してこの「日本、この国の現実?!」を載せます。(水田ふう)

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★ 世界の人々に知ってほしい、知らせたい! 日本、この国の現実を。
 以下に書いた「日本、この国の現実?!」を英語ほか外国語に訳して世界に発信してください。お願いします!!! 何語でもOKです。あなたが「これは世界の人々に知ってほしい、知らせたい」という項目だけでもOKです。○○語ができる、という方をご存知なら、どうかお願いしてほしいです。ぜひとも。

★ 日々、新聞でさえ、変化する現実を伝えます。「日本、この国の現実?!」に書かれた以後の、最新のタイムリーな「日本の現実」を世界の人々に発信してください! そして、ひとつの現実の文末には必ず「ご不明の点は、×××にお問い合わせください」と明記をお願いします。(×××は、新聞記事にある関係機関名・企業名などです)

★ 世界の人々に知ってほしい、知らせたい、「日本、この国の現実?!」を。ご協力を再度お願いします。

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「日本、この国の現実?!」

① 東日本大震災・福島第一原発事故の東北三県(宮城県・岩手県・福島県)避難状況(2011.12.10)
 宮城県では、3・11直後1813施設に32万885人が避難した。石巻市は179施設に11万1295人が避難した。10月11日にすべての避難所を閉鎖、その後、開設した待機所も12月11日に閉鎖する。
 岩手県では、399ヶ所に5万4429人が避難した。10月7日県内の避難所を閉鎖した。
 福島県は、高い放射線量のため、6万人以上(人口の3%)が県外に避難している。町ごと移転した双葉町の住民754人が避難所で今も暮らす。
★ 以上ご不明の点は、各県庁へお問い合わせください。

② 福島第一原発 汚染水45トン漏れる。外の側溝にも流出した。(2011.12.5)
 (東京電力)は4日、福島第一原発の高濃度放射性汚染水が漏れ、コンクリートのひび割れから屋外にある側溝に流れたと発表した。
 側溝は約500メートル先で海につながっている。
 漏れたのはセシウムなどを除去した260億ベクレルの汚染水。ストロンチュウムなどベータ線を出す核種が残留している。
 水の表面線量はベータ線が毎時110ミリシーベルト、ガンマ線が毎時1.8ミリシーベルトだった。
 ──海洋流出は汚染水150リットル(2011.12.7)──放射性物質の量は260億ベクトルと推定。
 ──海に汚染水漏れ(2011.12.11)──
 処理装置の建屋の基礎部分のコンクリートの乾燥が不十分でひびが入った。
 ──汚染水漏れ「ゼロ」扱い。保安院は、従来の規制を適用せず。(2011.12.16)
 通産省(経済産業省)原子力安全・保安院は「緊急事態」を理由に、法的には流出量「ゼロ」としてきた。今後、漏出や意図的な放出があってもゼロ扱いする。
 保安院は、「すでに海に出た4700兆ベクレル超の放射性物質は法的にはゼロと扱われる」
★ 以上ご不明の点は東電・経産省原子力安全・保安院へお問い合わせください。

③ 東電(東京電力)は、2012年3月ごろ高濃度の放射性汚染水を浄化処理し、通常の基準未満にした汚染水を海へ放出することを検討している。(2011.12.9)──
 全漁連(全国漁業協同組合連合会)は反発している。
 福島第一原発(1号機〜4号機)の地下には高濃度放射性汚染水が約75000トンたまっている。約14万トンの容量のタンクが2012年3月ごろに満杯になる見通し。
 (全漁連の抗議などを受けて計画は当面見送りに。)
★ 以上ご不明の点は、東電にお問い合わせください。

④ 政府「冷温停止状態」宣言。リスク残したまま、海洋汚染水を考慮せず。(2011.12.16)
 セシウム吸着・淡水化した処理水(ストロンチュウム含む)を原子炉の冷却に使うに使うホースに雑草のチガヤの鋭い葉先が小さな穴を開け、水漏れするケースも起きている。ホースは野ざらしで、敷地内を4キロメートル以上めぐっている。
 地下の止水など抜本的対策をとらないと、いずれ処理水の海洋放出を迫られる。冷温停止状態と言える段階ではない。
★ 以上ご不明の点は、経産業省原子力安全・保安院へお問い合わせください。

⑤ 福島第一原発の現状・東電(東京電力)は溶融した核燃料についての解析結果を発表(2011.12.1)(2011.12.4)
 一号機……ほとんどの核燃料が溶けて落下し、格納容器底部のコンクリートの床を最大65センチメートル浸食していた。(「コア・コンクリート反応」)
 2・3号機……最大で60%前後の核燃料が溶けて落下し、格納容器底部のコンクリート床を浸食した。2号機で最大12センチメートル、3号機で最大30センチメートル。
★ 以上ご不明の点は、東電にお問い合わせください。

⑥ 福島第一原発・一号機、地震で配管亀裂か。「津波原因説」に疑問(2011.12.15)
 経産省(経済産業省)原子力安全・保安院が、東京電力福島第一原発一号機の原子炉系配管に、地震の揺れ(約三分間継続)によって亀裂の入ったことを示す解析結果をまとめた。亀裂の面積は0.3平方センチメートルと推測される。
 上記解析は、通産省所管の独立行政法人・原子力安全基盤機構がまとめた「一号機IC作動時の原子炉挙動解析」である。
★ 以上ご不明の点は、保安院・東電にお問い合わせください。

⑦ 政府や東電(東京電力)の記者会見で使われる原発用語
 事象←事故・トラブル
 高経年化←老朽化
 冠水←水棺
 滞留水←建屋などにたまった高濃度の放射性汚染水。表面線量は毎時2000ミリシーベルト超。
 燃料の損傷←燃料が溶け落ちている
 廃スラッジ←高濃度の放射性汚染水の浄化装置で発生する放射性汚泥
 バックエンド←核廃棄物の処理業務全般(使用済み核燃料の再処理も含む)
 クリアランス←一定の線量未満の核廃棄物を一般廃棄物と同じ扱いにする法制度
 MOX燃料←ウランとプルとニュームの混合酸化物燃料
 冷温停止状態←本来の「冷温停止」とは、定期検査等で原発の運転を止め、密閉された原子炉の中で冷却水が沸騰していない安全な状態のこと。
★ ご不明の点は、東電へお問い合わせください。

⑧ 除染モデル事業公開。常温水と熱水の効果は変わらず。(2011.12.5)
 政府は、4日福島県大熊町の役場庁舎に付着した放射性物質を高圧洗浄機で洗い流す除染作業を公開した。
 除染による汚染水は、ホースを使って役場の敷地内の大型水槽にため、浄化処理装置で再利用できるか確認する。
 除染モデル事業は、政府が日本原子力開発機構(高速増殖原型炉「もんじゅ」の運営と国際熱核融合実験炉「ITER・イーター」の研究開発を手がける)に委託する。
 対象の福島県内12市町村(大熊町・田村市・川内村葛尾村ほか)は、ゼネコン(大成建設・はざま組・日本国土開発・鹿島建設ほか大手建設会社)3社をそれぞれ中心とする三つの共同企業体(JV・ジャパニーズベンチャー)が2012年3月迄に事業を完成させる。
★ 以上ご不明の点は、福島県庁・上記市町村役場・ゼネコンへお問い合わせください。

⑨ 原発受注メーカー、海外へ(2011.12.10)
 ヨルダン、ロシア、ベトナム、韓国との原子力協定が、九日国会承認された。2012年1月に発効する。原発メーカーは、「官民一体での原発輸出の枠組みが整う」と歓迎する。
 日立製作所、東芝、三菱重工業はベトナムとヨルダンで新規受注を見込む。ヨルダン政府は2012年1〜3月ごろ受注企業を選定する。
 韓国には原子炉の圧力容器など重要な資機材を輸出する。ロシアには、日本の使用済み核燃料から取り出したウランを再濃縮を委託する。
★ 以上ご不明の点は、経産省(経済産業省)又は上記原発メーカーへお問い合わせください。

⑩ 「原発輸出」へと突っ走る野田政権。中東・ヨルダンの現地事情(2011.12.8)
 地震の多発・テロが頻発する国のヨルダンの原発建設予定地は内陸部で、乾燥地帯にある。
 人口120万人の首都アンマンから北へ約40kmのマジダルに一基(100万キロワット)建設する予定。
 冷却水は、アンマンのサムラ下水処理場から導水管で利用する計画。(下水の処理水の利用は、アメリカ・アリゾナ州に一例あるだけ。)地下200メートルにある地下水もくみ上げる。
 ヨルダンの工場の50パーセントが集中する、人口80万人のザルカは、原発から15キロメートルの距離だ。
 三菱重工業とフランスのアレバ社が合弁企業を設立し、入札に参加する。ロシア企業、カナダ企業と受注を争う。
★ 以上ご不明の点は、外務省・三菱重工業にお問い合わせください。

⑪ 野田政権、原発輸出への加速。ベトナムの住民は福島の実情を知らされず。(2011.12.3)
 ベトナム南部、南シナ海に面したビンハイ地区タイアン村が、ニントゥアン第二原発の建設地だ。農業と漁業が盛んで、豊かな漁場が広がる。
 建設されると、村の住民約2000人全員が移転する。
 2010年夏、住民の一部は福島県の原発と西日本の原発建設予定地を視察した。
 第二原発は100万キロワット規模を二基建設し、2021年に一基稼働、2022年に二基目を稼動する計画だ。
 ベトナムは、共産党一党独裁のため、福島第一原発事故の実情も住民にあまり伝えられていない。
 隣国タイの住民からは強い反対の声があがる。メコン川が汚染されれば、流域のカンボジア・ラオスにも被害が拡大する。
 経産省(経済産業省)は、原発計画の実施可能性について調査を始めた。費用は約20億円。調査は日本原子力発電(茨城県東海村・東海第二原発を運営する)が受注。
★ 以上ご不明の点は、経産省・日本原子力発電にお問い合わせください。

⑫ 日本の原発輸出、官民で海外に活路。政府保証の低利融資が前提。(2011.12.3)
 ベトナムへの原発輸出は、日本の国際協力銀行(JBIC)による低利融資が前提。
 JBICは、100%政府出資の日本政策金融公庫の国際部門。公的資金による海外での企業活動を支援する。
 JBICの国際経営企画部部長は、内閣官房参与で原発輸出の旗振り役だ。
 電力9社(東京電力・北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力)と、東芝、日立製作所、三菱重工業など原発プラントメーカーが出資し、「国際原子力開発」を2010年10月に設立した。最初の大型案件がベトナムの原発輸出だ。
★ 以上ご不明の点は、JBIC・電力9社・原発プラントメーカーにお問い合わせください。

⑬ 原発輸出への加速。が、安全は相手国任せ(2011.12.8)
 ヨルダン・ベトナムとも使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理は、相手国任せになっているのが実情だ。
 玄葉光一郎外相は「原発輸出の個別の商談は民間の判断である。原発の安全性は一義的には当該国の責任だ」と言う。
★ 以上ご不明の点は、外務省へお問い合わせください。

⑭ 与党(民主党)・野党(自民党)に巨額の電力マネー
 原発のない沖縄電力を除く9電力(北海道電力・東北電力・東京電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力)の社長役員が個人献金として野党(自民党)の政治資金団体に献金した。2010年分は315人が2426万円。電力会社の子会社からの献金は12社から約6500万円。
 与党(民主党)には電力系労働組合の政治団体が国会議員13人と地方議員に合計1億2000万円を支出した。
★以上ご不明の点は、上記9電力又は民主党・自民党にお問い合わせください。

⑮ 電気料金のしくみ……不透明な費用計上・「総括原価方式」で経営安定・コストの情報公開を(2011.11.2)
 政府の第三者委員会「東京電力に関する経営・財務調査委員会」が出した報告書より。
 発電・送電費用(人件費・燃料費・修繕費など)の他、何を費用に計上するかは電力会社任せだ。広告費・自治体への寄付金・業界団体への拠出金など、根拠の不明な費用も交じる。
 家庭に届く電気料金の明細書には料金の内訳を記す必要がない。
 費用のほかに、電力会社の資産(発電所・送電網など)に事業報酬率(東電の場合、3%イコール利益)をかけた金額をプラスする。「総括原価方式」と呼ばれる。
 第三者委員会は、10年間に東電(東京電力)が過大に計上した総原価は、約6000億円になると指摘した。
 政府の料金改定審査では、電気料金の値上げの際はチェックするが、値下げのときは審査しないため、さらに値下げできるかのチェックがされない。
★ ご不明の点は、経産省第三者委員会へお問い合わせください。

⑯ 節電の冬に「オール電化?」 関電(関西電力)に広告の自粛を要請(2011.12.11)
 関西広域連合(大阪府・兵庫県・滋賀県・和歌山県・京都府・鳥取県・徳島県の各知事が結束)は、オール電化の広告をやめるよう申入れることを決めた。
 節電を国民に求めておきながら、オール電化の広告をしている企業の姿勢を問う。
 日本を10の地域に区分し、それぞれの地域にひとつの電力会社、という独占企業である。同時に民間企業でもある電力会社は広告宣伝費として、マスメディア(新聞・TVほか)に電力会社全体で計883億円(2009年度)を出した。
★ ご不明の点は、各電力会社(北海道電力・東北電力・東京電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力)・関西広域連合・経産省(経済産業省)へお問い合わせください。