ええかげんにせえよ2008年01月16日 23:01

 灯油がまた100円上がって一缶(18L)1746円になった。去年は1380円やった。そのまえは1100円で、そのまえは980円やった。
 わたしはこのボロ家を気に入ってるけど、なにしろ冬は隙間風で寒いんや。猫もわたしも寒がりでどうしても久板卯之助さんにはなれん。なんぼ値上がりしてもついストーブをつけてしまう。それでもえらい倹約するようになった。
 考えたらわたしらが子どものころは、ずっと雪が積もってたし、屋根からつららが下がってたし、今よりうんと寒かった。そやのに家の暖房は、家族五人に小さな掘りごたつと小さな火鉢ひとつや。蒲団に入っても蒲団が冷たかった。それがいまじゃ、わたしのような貧乏人でも石油ストーブでお湯をじゃんじゃん沸かして湯たんぽをふたつも蒲団に入れて、あったかーくしてスヤスヤ眠れるんやから、なんと贅沢なくらしかと思う。これで充分くらせるんやから、倹約もええこっちゃ――とおのれについてはおもてるで。
 そやけど、きのうだったか、おとといだったか、テレビのニュースで福田サンが、「……原油値上がりに対して対策は考えねばならないとは思いますが、温暖化防止や、これ以上CO2を排出させないためには、石油の値上がりで使用量が減るのはいいことなんではないでしょうか」なんて云ってるんや。ほー、まあ、ぬけぬけと、しゃあしゃあと、よういうよな。
 いまのような、ありとあらゆるものが石油と関係ないものはないくらいの産業構造・社会構造をつくりあげたのは、ひたすら金儲けを追う大企業と国家のたくらみによるもんやんか。わたしらのくらしは石油なしでは一日ももたんようなことになってしもてる。いうたら麻薬(石油)中毒患者にしたてられてしもてるんや。ジャンジャン麻薬を使わせておいて、それなしにはやっていけないような体にしておいて、「どうか、いままでどおりの値段で売ってください」とすがりつく中毒患者に対して、「これは中毒をなおすにはいい機会ですよ」と麻薬の売人からぬけぬけ言われてるようなもんや。そして売人たちは決して麻薬をつくるのをやめようとはしないし、あいかわらず麻薬で儲けつづけようとたくらんでるんやからな。
 福田サン、あんたから倹約せえとはいわれたないでえ。(風)