4.28 横浜事件再審「東京高裁不当判決糾弾集会」のご案内2007年04月25日 18:03

静かな問い 木村まき

最高裁のポールの日の丸をにらみつけてから
霞ヶ関へと急いだ
時は春
横浜事件上告趣意書作成の弁護団会議がはじまる

殊勝にもうなだれていたのに
前に立ったとたん風が吹いてきやがって
隼町では、日の丸と風はグルだな
三人の女の裸体像
この砦でのただひとつの美
それを汚してはなるまい

「面会を強要してはならない」
立て札に書かなくていいよ
私は何一つ強要などするつもりはない
ただ問いたいだけだ

誇りを知っていますか
恥を知っていますか

答えは永遠に返ってこないにしても

(「横浜事件再審ネットニュース」第31号より転載)

 今年1月19日、横浜事件第三次再審請求への判決は「免訴」やった。
 木村まきさんは〈要望書〉にこう書いている——
 『「免訴」とは、私には、罪があるが免じてあげると、高い所から言われている気がしますし、名誉回復とはほど遠いことです。わたしの夫をはじめ、横浜事件の被害者は犯罪行為(治安維持法一条・十条違反)を行っておりません。』
 『免訴の判決を受けても無罪判決と同様の刑事補償が認められると判決に書いてあったことは、わたしの真実を求める心をまるで理解しない不愉快きわまりないことです。』
 『横浜事件の形式的裁判から六〇年。……怒りを持続し、忍耐を友とし、無罪判決を求めて生きてきました。もうこれ以上は待たせないでください。私を、そして被害者たちを。』
 『貴裁判所において実体審査を行い、横浜事件に踏み込んで、無罪判決を言い渡すよう強く要望いたします。』

 その日の裁判は、「被告人〜の再審請求を……」云々という言葉で開廷した。殺し痛めつけた側ではなく、殺され、痛めつけられたものがいまも歴然と、「被告人」と呼ばれ続けているんや。デッチ上げで逮捕・拘留・拷問——拷問で殺された人は5名。拷問というものがどんなに人の尊厳を傷つけるものか!
 木村享さんも川田定子さんも、まきさんが「拷問された時のことを話してほしい」と頼むと急に黙り込んでしまったという。どんなに時間がたっても、拷問で受けた傷は癒えることはない。
 横浜事件ではないけど、やっぱり拷問を受けた詩人・鳥見迅彦さんは講演でこう話してる。
 『……わたくしが受けた拷問の様子は申しあげません。遠慮させてください。
 拷問というものは肉体の苦痛はいわずもがな、その暴行と陵辱から受ける精神の傷痕は一生涯消えはいたしません。わたくしは、いまでも、ふいにそのおそろしさを思い出して身ぶるいいたします。そのおそろしさというよりも、そのはずかしさと言ったほうがいいかもしれない。人間が人間をはずかしめる、そんなはずかしいことを人間はするのです。戦争はそういう人間をたくさんつくり出してしまいます。』

 安倍政権は「集団的自衛権」の検討をすすめてる、と今朝のラジオが伝えてた。敵国民を殺し、非国民を殺す。国家の名においておこなわれる殺人は、イラクで、拘置所で、いまなお正当化されつづけてる。裁判所はそれを裁かない。

 今週の土曜日、東京の芝で横浜事件再審「東京高裁不当判決糾弾集会」が行われます。
 東京近辺の方、わたしはいかれへんのやけど、どうか駆けつけてください。(風)



横浜事件再審高裁不当判決を糾弾する
最高裁で完全勝利を!
 さる1月19日、東京高裁(阿部文洋裁判長)は横浜事件第三次再審控訴審において横浜地裁の「免訴判決」を支持し、控訴棄却の判決を言い渡した。戦前・戦中の司法が犯した過ちを一切認めようとしないこの判決に満腔の怒りを表明し、最高裁において完全無罪判決を勝ち取るために集会を企画した。環主任弁護人による東京高裁判決批判、再審請求人の一人である平舘道子さんの講演を中心とした。奮ってご参加下さい。

日時:2007年4月28日(土)13時30分〜16時30分
場所:港勤労福祉館第1洋室(03-3455-6381)
   JR・山手線・京浜東北線田町駅西口徒歩5分
   都営地下鉄浅草線・三田線三田駅徒歩1分
講演:「高裁判決を追及する」環直彌さん(横浜事件第三次再審請求弁護団主任弁護人)
   「あくまで無罪を求めて!」(仮題)平舘道子さん(横浜事件被告平舘利雄さんの長女・第三次再審請求人)
 他再審請求人からのアピール
 各団体からの支援アピール
参加費:600円
主催 横浜事件の再審を実現しよう!全国ネットワーク
http://members.at.infoseek.co.jp/yoko_hama/main.html

ああ、ああ……2007年04月27日 19:31

 3時半ごろ、母親を車椅子で散歩につれだして、帰ってきたら、「いま古本屋にいたんだけど、かかってたラジオで3人の死刑執行があったって云ってたよ」という電話や。「えっ! いままで国会会期中にはなかったのに……」もうことばがなかった。
 中国のひとたちに対する強制連行・強制労働の事実を認めながら、その損害賠償請求を個人が日本政府に訴えることはできない、という最高裁の逆転判決のニュースも今朝聞いたばかりや。もう完全に戦争への舵はきられてしまってる……。
 わたしらは、死刑や戦争を考えなくても生きていけるけど、死刑や戦争に加担しなければ生きていけない、この民主主義体制の日常……(風)