ポリデントでないのをください——12.9 和歌山カレー事件『真実は明らかにされたのか?』集会報告 ― 2007年12月16日 11:17
十二月九日。和歌山カレー事件の地元で『真実は明らかにされたのか?』という集会があった。坂やんが「誰もけえへんちゃうか」ってえらい心配してたんやけど、遅れて着いたら会場はもう満員。後できいたら全部で七五人も。そのうち和歌山の人が七人もいてはったらしい。
坂やんたちが今年八月から毎月一回、事件についてはまだまだ敏感な地元和歌山でビラまきを続けてたから、あれは冤罪やないやろかって考えるひとも世の中にはいてるんや——と、ビラを受取った誰かが「ためしに話しを聞いてみよう」と来てくれてたのかもしれへんな。
なにしろマスコミの力は恐ろしい。警察が逮捕するまえに、裁判にかける前に、マスコミが犯人を決め、マスコミが判決を下すんやから。
戦前、大日本帝国の検閲命令のもとに、あらゆる新聞・ラジオ・マスコミは「大本営発表」いうのをやったんやけど、いまや、マスコミそのものが大本営になってしもてる。
この日は、五人の弁護団全員もきてはって、主任弁護士の安田さん、浅野健一さんの話をスライドをみながらのわかりやすい説明を聞いて、あらためて、ああ、またもや、これも警察・マスコミが思い込みで作り上げたデッチアゲ事件やな、いうことがようわかった。直接証拠いうのはなんもないんやから。よう、こんなことで「死刑」の判決が下ろせるもんや——
○一審の判決文は938ページもの膨大なもの。逆に言えば、直接的な証拠がないから、それだけの言葉を使わんと「犯人」と言えなかった、ということやろ。
○女子高生の目撃証言——カレー鍋は二つあったんや。東鍋と西鍋。(眞須美さんが)鍋を開けているのを見たという女子高生が見た鍋は、ヒ素が入っていない西鍋。亜ヒ酸は東鍋に入っていた。
○女子高生はタオルを首に巻いた白のTシャツを着ていた眞須美さんを見たというんやけど、事件当日、眞須美さんは黒のTシャツを着ていた。タオルは持っていかなかった。
女子高生は別な人物を見ていたのではないか。女子高生の目撃証言は、むしろ眞須美さんの無実を証明する重要な証言ではないのか。
○眞須美さんは一人でカレー鍋の見張りをしていたんやない。次女とずうっと一緒やった。次女はそのことを証言したけど、「親子だから信用できない」と取り上げられんかった。次女はそのカレーの味見もしてる。
○ヒ素鑑定の謎——カレー鍋、祭り会場から見つかった紙コップ、実弟から提出されたヒ素、自宅の流し下のポリ容器から見つかった四つのヒ素が同一やいうことを、日本にひとつしかない「スプリング8」を使って証明したとされる。(なんでもこの機器は、直径800メートルもあるらしい。この鑑定をした教授はカレー事件以後、もうかれの鑑定に誰もケチをつけることはできないような地位を築いた。彼はカレー事件によって出世したんやと。)
○自宅台所から見つかったとされるヒ素入り「ポリ容器」——家族の誰も見ていない。家族の誰の指紋もついていない。ふだん子ども達が弁当をつくっていて、しょっちゅう開ける場所。そんなところに他の食材と見間違うような亜ヒ酸を置くやろか。
事件がおきたのは、九八年七月二五日。逮捕が十月四日。この間、林健治さんは自分たちが疑われてると思って、自分の保険金詐欺で使ったヒ素は溝にながして、証拠インメツしてる。逮捕と同時に自宅の徹底的なガサ。ところが、捜査が始まった四日目になって、ヒ素入りの容器が突然「発見」されるんや。九〇人もの大捜査陣がいて、なんで四日目になって初めて見つかるのかねえ。おかしいやんか。狭山事件で後になってはじめて万年筆が「発見」された話と似てるぞ。
○さいごに、これは本当に「毒カレー事件」なのだろうか——と安田さん。
ヒ素は、四つあった鍋のうち一つにしか入れられてへん。何故四つの鍋全部に入れてなかったんやろ。被害者は不特定の住民の、一部の人でいい。全員でなくていい。被害者は誰でもよかった。カレー鍋に入れられた亜ヒ酸は135グラム。林健治さんは耳かき一杯飲んで、二十日間の意識不明。ヒ素はそれほどの猛毒や。犯人は、亜ヒ酸の恐さを知らない人物ということになる。そうだとすれば、これは「食中毒偽装事件」ではないのか。自分で飲んでその恐さを知っている健治さん、眞須美さんではない誰かが起こした「傷害致死事件」ではないのか。
だとすると「二〇〇八年七月二五日には時効が成立する」から「真犯人は名乗り出て欲しい」と安田さんは訴えた。
○健治さんの「眞須美は保険金詐欺のプロです。無差別殺人なんて、儲からんことはやりません」ということばには説得力がある。
○眞須美さんには事件の動機がない。証拠もない。
○いまの日本の裁判所は、偏見・思い込み・主観・マスコミ・世間の影響からまったく自由に、独自の立場と判断で、客観的事実だけを積み上げて、それを客観的に検証する能力が全くない。そんな裁判官も万に一人もいない、と安田さん。(以上、坂口誠也さんの集会報告を参考させてもらいました。)
もうだいぶ前の話やけど、おいちゃんが入れ歯をいれなあかんようになって、入れ歯の洗浄剤を買ってきてといわれて、薬局にいったんや。「いろいろありますけど、どれがいいですか」って聞かれて、とっさに「ポリデント」ということばがうかんだ。テレビで毎日やってる「入れ歯にポリデント」のコマーシャルが、知らず知らずのうちに、しっかり頭にはいってたんやな。それがしゃくにさわって、思わず「ポリデントでないのをください」って云うたんや。
このごろはあんまりテレビをみんようになったけど、テレビでやる犯罪報道はとにかく異常や。その他の報道もそうとうに偏ってる。そのことをかなり強く意識してないと、しらずしらずのうちにわたしらの頭は「ポリデント」状態に陥ってしまう。それはなんぼ肝に銘じても銘じ過ぎるいうことはないねんから。坂やんから、カレー事件の資料が送られてくるまで、わたしもなんとなく林眞須美さんが犯人のように思ってたもんなあ。(風)
坂やんたちが今年八月から毎月一回、事件についてはまだまだ敏感な地元和歌山でビラまきを続けてたから、あれは冤罪やないやろかって考えるひとも世の中にはいてるんや——と、ビラを受取った誰かが「ためしに話しを聞いてみよう」と来てくれてたのかもしれへんな。
なにしろマスコミの力は恐ろしい。警察が逮捕するまえに、裁判にかける前に、マスコミが犯人を決め、マスコミが判決を下すんやから。
戦前、大日本帝国の検閲命令のもとに、あらゆる新聞・ラジオ・マスコミは「大本営発表」いうのをやったんやけど、いまや、マスコミそのものが大本営になってしもてる。
この日は、五人の弁護団全員もきてはって、主任弁護士の安田さん、浅野健一さんの話をスライドをみながらのわかりやすい説明を聞いて、あらためて、ああ、またもや、これも警察・マスコミが思い込みで作り上げたデッチアゲ事件やな、いうことがようわかった。直接証拠いうのはなんもないんやから。よう、こんなことで「死刑」の判決が下ろせるもんや——
○一審の判決文は938ページもの膨大なもの。逆に言えば、直接的な証拠がないから、それだけの言葉を使わんと「犯人」と言えなかった、ということやろ。
○女子高生の目撃証言——カレー鍋は二つあったんや。東鍋と西鍋。(眞須美さんが)鍋を開けているのを見たという女子高生が見た鍋は、ヒ素が入っていない西鍋。亜ヒ酸は東鍋に入っていた。
○女子高生はタオルを首に巻いた白のTシャツを着ていた眞須美さんを見たというんやけど、事件当日、眞須美さんは黒のTシャツを着ていた。タオルは持っていかなかった。
女子高生は別な人物を見ていたのではないか。女子高生の目撃証言は、むしろ眞須美さんの無実を証明する重要な証言ではないのか。
○眞須美さんは一人でカレー鍋の見張りをしていたんやない。次女とずうっと一緒やった。次女はそのことを証言したけど、「親子だから信用できない」と取り上げられんかった。次女はそのカレーの味見もしてる。
○ヒ素鑑定の謎——カレー鍋、祭り会場から見つかった紙コップ、実弟から提出されたヒ素、自宅の流し下のポリ容器から見つかった四つのヒ素が同一やいうことを、日本にひとつしかない「スプリング8」を使って証明したとされる。(なんでもこの機器は、直径800メートルもあるらしい。この鑑定をした教授はカレー事件以後、もうかれの鑑定に誰もケチをつけることはできないような地位を築いた。彼はカレー事件によって出世したんやと。)
○自宅台所から見つかったとされるヒ素入り「ポリ容器」——家族の誰も見ていない。家族の誰の指紋もついていない。ふだん子ども達が弁当をつくっていて、しょっちゅう開ける場所。そんなところに他の食材と見間違うような亜ヒ酸を置くやろか。
事件がおきたのは、九八年七月二五日。逮捕が十月四日。この間、林健治さんは自分たちが疑われてると思って、自分の保険金詐欺で使ったヒ素は溝にながして、証拠インメツしてる。逮捕と同時に自宅の徹底的なガサ。ところが、捜査が始まった四日目になって、ヒ素入りの容器が突然「発見」されるんや。九〇人もの大捜査陣がいて、なんで四日目になって初めて見つかるのかねえ。おかしいやんか。狭山事件で後になってはじめて万年筆が「発見」された話と似てるぞ。
○さいごに、これは本当に「毒カレー事件」なのだろうか——と安田さん。
ヒ素は、四つあった鍋のうち一つにしか入れられてへん。何故四つの鍋全部に入れてなかったんやろ。被害者は不特定の住民の、一部の人でいい。全員でなくていい。被害者は誰でもよかった。カレー鍋に入れられた亜ヒ酸は135グラム。林健治さんは耳かき一杯飲んで、二十日間の意識不明。ヒ素はそれほどの猛毒や。犯人は、亜ヒ酸の恐さを知らない人物ということになる。そうだとすれば、これは「食中毒偽装事件」ではないのか。自分で飲んでその恐さを知っている健治さん、眞須美さんではない誰かが起こした「傷害致死事件」ではないのか。
だとすると「二〇〇八年七月二五日には時効が成立する」から「真犯人は名乗り出て欲しい」と安田さんは訴えた。
○健治さんの「眞須美は保険金詐欺のプロです。無差別殺人なんて、儲からんことはやりません」ということばには説得力がある。
○眞須美さんには事件の動機がない。証拠もない。
○いまの日本の裁判所は、偏見・思い込み・主観・マスコミ・世間の影響からまったく自由に、独自の立場と判断で、客観的事実だけを積み上げて、それを客観的に検証する能力が全くない。そんな裁判官も万に一人もいない、と安田さん。(以上、坂口誠也さんの集会報告を参考させてもらいました。)
もうだいぶ前の話やけど、おいちゃんが入れ歯をいれなあかんようになって、入れ歯の洗浄剤を買ってきてといわれて、薬局にいったんや。「いろいろありますけど、どれがいいですか」って聞かれて、とっさに「ポリデント」ということばがうかんだ。テレビで毎日やってる「入れ歯にポリデント」のコマーシャルが、知らず知らずのうちに、しっかり頭にはいってたんやな。それがしゃくにさわって、思わず「ポリデントでないのをください」って云うたんや。
このごろはあんまりテレビをみんようになったけど、テレビでやる犯罪報道はとにかく異常や。その他の報道もそうとうに偏ってる。そのことをかなり強く意識してないと、しらずしらずのうちにわたしらの頭は「ポリデント」状態に陥ってしまう。それはなんぼ肝に銘じても銘じ過ぎるいうことはないねんから。坂やんから、カレー事件の資料が送られてくるまで、わたしもなんとなく林眞須美さんが犯人のように思ってたもんなあ。(風)