北海道自由エスペラント協会のこと2008年01月24日 00:04

ウリの仲間のみなさん、お元気ですか。東京は今日は雪が降りました。
今年からエスペラントをはじめました。
動機はふたつ。
いつか、ソウルのアナ仲間とエスペラントでしゃべりたいから。
それから、札幌から発せられた反G8アピールにふれて。
ちょっと長いけど、その北海道自由エスペラント協会(Libera Esperanto-Asocio en Hokkajdo)のアピールを、設立趣意書とともに、一挙に掲載します。
↓こちらの丁寧な紹介も見てください。
http://d.hatena.ne.jp/kaxima/
“やくざな”言語を、どれだけ身に付けることができるか。自信はぜんぜんありませんが、ひとまずやれるだけは……(MN)



北海道自由エスペラント協会設立趣意書
北海道自由エスペラント協会とは

エスペラントとは
 1887年、ロシア領ポーランドの眼科医ザメンホフが考案した人工言語である。当時ポーランドには諸民族が生活をし、民衆同士の言語の相違によって十分なコミュニケーションがとれず、互いに反目しあっていた。ヨーロッパに広く見られた民衆同士の軋轢に心を痛めたザメンホフは、エスペラントの普及運動を開始した。この言語は特別な教育を受けない民衆にも容易に習得・使用できるように、簡単な文法と国際的にわかりやすい単語で構成されている。現在、世界100以上の国・地域でおよそ100万人の学習者・使用者(エスペランチスト)がいる。

北海道自由エスペラント協会とは
 エスペラントを民衆の闘いに役立てるために活動する。最初の活動として、来年2008年のG8洞爺湖サミットに反対する国際アピールを発することとなった。この反G8の闘いではエスペランチストにかぎらず様々な国際的な活動家と連絡をとりあい、闘いが国際的な広がりを持つよう活動する。メンバーは国際アピールに賛同する北海道在住および北海道につながりのあるエスペランチストとその支持者で構成される。当面、代表は宮沢直人(53歳)とし、協会は諸個人の自発性と協同作業で運営される。事務所は001-0045札幌市北区麻生町1-3-13に置く。

北海道自由エスペラント協会
001-0045札幌市北区麻生町1-3-13 TEL/FAX 011-717-4189  郵振02710-8-44861



北海道自由エスペラント協会 国際アピール
G8洞爺湖サミット反対!
国際主義・直接行動の闘いに結集しよう

 我々、北海道自由エスペラント協会は、ともに闘う北海道の仲間と共に、世界のエスペランチスト・エスペラント学習者・友人たちに反G8の闘いに参加することを訴える。闘いはここ北海道で国際的に展開されるだけではなく全世界で行われるであろう。
 世界を支配する大国8カ国(米国・カナダ・英国・フランス・ドイツ・イタリア・ロシア・日本)の指導者8人が、来年2008年7月7日から9日まで、日本の北海道・洞爺湖でG8サミットに集まることが決まった。サミットは国際資本の利益のための密室の会議であり、グローバリゼーション(巨大資本の世界的展開)を推進するものである。このグローバリゼーションのために、世界中の労働者・農民・市民・そして先住民たちが苦しんでいる。
 今回の開催地北海道は、第二次世界大戦後も保持し続ける日本の植民地のひとつであり、同地に日本人の到達以前から住んでいる先住民族アイヌに対して過酷な同化政策が行われた歴史をもつ土地である。日本政府はいまだにあきらかに先住民であるアイヌ民族を「先住民族」とは認めようとしない。にもかかわらずサミットにおいて日本政府はアイヌ民族の文化を利用しようとすらしている。(民族の文化を利用するのであれば、最低限先住民族としての存在を認知してからにすべきである)
 日本政府が行っているいわゆる改革政策は、東京の好景気を生み出すと同時に、北海道の深刻な不景気をも生み出している。日本の改革政策とはグローバリゼーションであり、格差社会とはその結果である。北海道の労働者・農民・漁民・商工業者はさらに大きな困難をかかえるか、かかえようとしている。だが、北海道をはじめ日本の民衆はいまだ自らのかかえる課題とグローバリズムとの関係を見出せないでいる。
 今こそ、反G8・反グローバリズムの国際的闘いが日本、北海道で求められている。国際主義と民衆自らの直接行動を軸としながら、幅広く重層的な統一戦線を形成しよう。労働者・農民・知識人・青年・地域住民・先住民の広範な反グローバリズムの闘いをここからこの地に築くため、全世界の同志・仲間の決起を訴える。
 エスペランチストは現地での国際的な参加者の通訳・連絡にその役割を求められている。そして可能であるならば、エスペランチスト自身の部隊による国際的反対行動を行いたいと考えている。
 2007年10月16日



G8サミットとエスペランチストの役割
——韓国闘うエスペランチストグループ設立集会での北海道自由エスペラント協会代表の発言

G8サミットとは何か
 2008年G8サミットは7月7日から9日まで日本の北海道で主要8カ国(アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、フランス、日本、ロシア)の首脳会議が行われる。それまでに環境大臣会議(神戸)、外相会議(京都)、財務相会議(大阪)など各大臣の会議が日本各地で行われる。このサミットは毎年8カ国持ち回りで開催している。2007年はドイツ、ハイリゲンダムであった。
 G8サミットは、貧困、環境破壊、戦争の拡大を招いてきた新自由主義的なグローバリゼーションの有力な仕組みとして機能している。それは1973年のアメリカ、西ドイツ、フランス、イギリスの4カ国による蔵相会議までさかのぼれる。サミットは戦後の国際経済秩序をささえた金・ドル本位制の崩壊と、オイルショックに対して国際新秩序を模索してはじまった。現在はグローバル化・ボーダレス化した経済問題、安全保障、治安問題などをあつかっているため「グローバルガバナンス」(地球統治)と呼ばれることも多い。
 G8サミットの政策は、「新自由主義」というイデオロギーにもとづいている。「新自由主義」の政策には5つの柱がある。
 1.関税障壁の撤廃(農産物の輸入自由化)
 2.公共部門の民営化(鉄道、郵便、医療、水道、教育、などの諸分野に民間参入)
 3.労働の柔軟化(労働法制の基準緩和、非正規雇用の推進)
 4.規制緩和(金融、資本投資の規制、環境規制などの緩和)
 5.警察国家化(テロ対策、移民管理の強化)
 サミットに参加する国々はIMFや世界銀行、自由貿易協定などを通じて、世界中のあらゆる国々を「新自由主義」へと方向づけてきた。世界は多国籍企業を中心とする巨大企業の利益を優先し、大多数の人々を貧困に陥れる方向に突き動かされている。
 このG8サミットは国連から委託されたものでもなければ、各国の国会から承認されたものでもない。まったくの私的な会合である。そもそも参加各国の人口は全部あわせても全世界の14パーセントにしかすぎない。にもかかわらず全世界の利権はこのようにG8に集中している。全世界の国民生産の3分の2、地球上の二酸化炭素の排出量は47パーセント、エイズを含む医療特許権の80パーセント、武器輸出の90パーセント、軍事支出は60パーセント、IMFに対する投票権の48パーセント、世界銀行に対しては47パーセントにもなる。G8諸国はその非民主性を隠し、世界に対する大きな責任があるにもかかわらず、自らの利害調整と見せかけの人道主義で世界中の人々をだまそうとしている。

対抗運動とエスペランチストの役割
1.平等と国際主義のシンボル
 このような欺瞞的なG8サミットに対して特にヨーロッパでは、アナーキスト、コミュニスト、NGO組織などがゆるやかなネットワークをつくり、国際的な反サミットあるいはオルタナティブサミットの運動で大きく対抗している。2007年ドイツでは10万人もの人々がサミット会場を包囲した。
 しかしアジアではヨーロッパのような大規模な国際的対抗運動は実現していない。これはアジアにおいてサミットの矛盾が現れていないというわけではない。さまざまな社会的歴史的要因を考えることができるが、ひとつ大きく取り上げることができるのは、言語の障壁の存在である。私は10年以上日本の公式の英語教育を受けてきたわけだが、細かい打ち合わせをする際、ヨーロッパからの一通の英語のメール(たぶん彼は30分程で書いたに違いない)を解読するのに2日間、返信するのに3日間ついやしている。私たちは運動の中でも不平等と非効率に直面する。
 このアジアの状況下、エスペランチストはその存在自体、言語の壁をのりこえる平等と国際主義のシンボルとしての存在意義があるといえる。
2.情報の共有
 インターネットが普及し、携帯で撮った写真をその場で送れるようになったにもかかわらず、民衆の運動での国際通信は限られたものになっている。写真にエスペラントのキャプション(いつ、誰が、どこで、何を、なんのために)をつけるだけで立派な国際情報になりえる。これならエスペラントを習いたての初心者にもできることだ。必要なのは闘うエスペランチストの国際ネットワークだ。この集会はそのためにもある。
3.互いの経験と立場の理解と尊重
 相互理解と相互尊重は決して長々と続く議論の中からは生まれてはこない。共同の戦いの中での議論と実践の中から生み出されてゆく。粘り強い努力とエスペラントの能力も要求される。にもかかわらず私はこの点についても常に楽天的だ。なぜなら私たちは共通の理想を持ち、共通の敵がいるのだから。
4.国際共同闘争
 それぞれの母国で行う闘いを国際的に結び付ける場合、通信員の役割は大切になる。だが、どこか一ヶ所に集まる国際闘争の場合、通訳や国際連絡などがはるかに重要で複雑になっていく。敵がグローバリズムを推し進めてくる中で、私たちが肩をならべて闘い国際連帯を実感することがますます重要になっている。私たちは資金的困難やコミュニケーションの困難を乗り越えてあらゆる可能性を追求していくことになる。
 そして、どの国際会議でも無視していた“やくざな”言語で意志を統一したさまざまな民族からなる国際部隊の登場に、世界の帝国主義者たちがふるえあがる日がくるのを、私は夢みるのである。
 2007年12月15日

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