どうやら、取調べの可視化がされてないのは日本だけらしいわ2007年05月23日 12:21


 もう、おとといやけど、朝ふとんの中でラジオをつけたら、……委員会は(たぶん国連の人権委員会やとおもう)日本政府に対して、代用監獄での取調べをやめるよう勧告を出した——というニュースが耳に入ってきた。
 代用監獄いうのは、警察のなかにある留置所のことで、拘置所に送らないで、ここに出来るだけ長く留め置いて「自白を取る」いうのが日本の警察のやり方やけど、(何年も入れられてるひともいる)これが冤罪をつくりだす温床になっていることはもうずいぶん前からいわれてることや。
 そしたら、たまたま、きのう送られてきた「殺したんじゃねえもの」——野田事件の犯人とされた青山正さんの冤罪を晴らすため、もう何年も闘っている、救援会のニュース——を読んでたら、森直也弁護士の講演録として、こんなことが報告されてた。
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 ……結局のところ、自白が取りやすいというのが可視化反対のすべての理由なんですね。……密室の取調べの中で……暴行・脅迫・利益誘導などで自白が強要されてしまう……では海外はどうかというと……日本の取調べがどうにもならない状況なので世界中に足を運んで、いろんなところを見てきました。結局「取調べの可視化がされてないのは日本だけじゃないか」と。どこに行っても可視化されている。びっくりする状況だったわけです。

 もちろんイギリスはされています。テープでの録音の録画もされている。弁護人が立ち会える。これは日本ではありえない。

 イタリアもされています。ドイツも可視化されています。フランスでは弁護人の立会いが認められています。オーストラリアももちろん……こういう風に、ヨーロッパ諸国はどこでも録画録音がされています。アメリカは、取調べに弁護人の立会いを求めたら、警察は弁護人の立会いなくして被疑者の取調べは出来ないというシステムがあります。

 ではアジアはどうか。アジアもみんなしています。特に韓国がすごい。取調室に二台のカメラが設置されていて、絶対死角がないように、カメラの外で殴ったりできないように部屋全体をとらえています。香港は録音・録画が義務付けられている。……

 何度も視察に行くとどこもかしこもやっている。やってない国はないのかと探すと、やってない国はないんです。……「ああ、日本はまだないの?」「おまえの国には憲法があるのか?」という風に云われてしまって、凹んで帰ってくるわけなんです。……
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 へーぇ。わたしも正直おどろいた。ヨーロッパは死刑を廃止してるし、まあそうやろとおもってたけど、アジアもみんな可視化されてるとは知らんかった。
 小泉のときから日本も「普通の国」になって「戦争のできる国」にすると安倍は意気込んでるけど、こういうことこそ「普通の国」にしてみせんかい。(風)

*こうしたもんにはなるべくやっかいになりたないけど、万が一のときにこういうのもあって、一定の効果が出てるそうや……
被疑者ノート(取調べの記録)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/legal_aid/on-duty_lawyer/higishanote.html