自分自身の叫びとして ― 2007年05月02日 09:40
「自由と生存のメーデー07」——プレカリアートの反攻——の映像が送られてきた。それをみて、涙がでるほど感動した。
わたしが知ってるいままでのメーデー・デモいうたら、お仕着せのプラカードを持って、お仕着せのゼッケンをつけて、およそなんのハプニングも起こりそうもない、「しょうもな」いうもんやったけど、これは違う。まるで違うんや。
プラカードの文句ひとつみても、それをつくった者の、腹の底からの叫びが聞こえてくる。四畳半もあろうかと思う「黒・赤」旗。ひとりひとり、おもいおもいの扮装をこらし、そのひとりひとりのおもいが大音響となって地響きをたてる。踊りまくる若者たち。「生きてやるぞーー」と叫ぶ女の子。まさに、いまここに自分たちの自由と生存を謳歌してる。これこそデモや。表現・発散・解放や。
と、いきなり百メートル?もある青色シートがパッとデモ隊の頭上に持ち上げられてひるがえった光景は圧巻やった。すごいなあ。誰がこんなことおもいついたんや。思わずパチパチと拍手してしまった。ああ、わたしもいっしょに、そこにいたかったなあ。(詳しい報告はウリ東京のプレカリアートからあるやろ。彼はなんやレンタルの荷物返しやらで、集会の内容の報告ができないいうてるけど——風)
▼各報道はこちらから見れるそうです。
http://mayday2007.nobody.jp/
*この動画を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=ebbEXlWBJXA
*mkimpo写真もあるよ。
http://www.mkimpo.com/diary/2007/mayday_07-04-30_bis.html
わたしが知ってるいままでのメーデー・デモいうたら、お仕着せのプラカードを持って、お仕着せのゼッケンをつけて、およそなんのハプニングも起こりそうもない、「しょうもな」いうもんやったけど、これは違う。まるで違うんや。
プラカードの文句ひとつみても、それをつくった者の、腹の底からの叫びが聞こえてくる。四畳半もあろうかと思う「黒・赤」旗。ひとりひとり、おもいおもいの扮装をこらし、そのひとりひとりのおもいが大音響となって地響きをたてる。踊りまくる若者たち。「生きてやるぞーー」と叫ぶ女の子。まさに、いまここに自分たちの自由と生存を謳歌してる。これこそデモや。表現・発散・解放や。
と、いきなり百メートル?もある青色シートがパッとデモ隊の頭上に持ち上げられてひるがえった光景は圧巻やった。すごいなあ。誰がこんなことおもいついたんや。思わずパチパチと拍手してしまった。ああ、わたしもいっしょに、そこにいたかったなあ。(詳しい報告はウリ東京のプレカリアートからあるやろ。彼はなんやレンタルの荷物返しやらで、集会の内容の報告ができないいうてるけど——風)
▼各報道はこちらから見れるそうです。
http://mayday2007.nobody.jp/
*この動画を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=ebbEXlWBJXA
*mkimpo写真もあるよ。
http://www.mkimpo.com/diary/2007/mayday_07-04-30_bis.html
イヤな渡世だなァ!!!! 4.30「自由と生存のメーデー」報告 ― 2007年05月04日 17:32
今年の「自由と生存のメーデー」は、新聞やテレビで報じられたように——「主催者の予想をはるかに上回って」デモ時最大で420人が参加。300冊つくった会場資料は1冊も残らなかった。集会場にもデモにも、まるで見知らぬ顔ばかりが7、8割方。
いろんな意味で、ぼくにはいっそう新鮮かつ画期的なものだった。(デモ以外は一部にしか居合わせることができず、あくまで部分的な感想だけど、忘れぬうちに——)
4月30日、朝。予報によると、気温は25度まで上がるとのこと。雨の心配はない。サウンドカーは大丈夫。しかし、どんな人がどれだけくるのか? 前夜の皆の予想では、150〜200人というところ。
会場は、ハングル、中文に派手な地色のにぎやかな看板が目立つ地域。ひる前だったからか、大久保は白っぽくまだ静かだった。会場前に着くと、ショルダーバッグのタスキがけ、野球帽にマスク、ストーカーというか出歯亀というべきか、そんな方々がすでに十数名でお出迎え。3ヶ所に分散したかれらは、時間がたつごとにジャンパー、背広、年嵩で顔色の煤けたのが増えて、あたりを澱ませる。
一方会場には、フリーター全般労組の呼びかけに呼応した労組関係の人びと、そしていつもの?反戦、反基地デモなどで、どこへいってもすれ違う顔なじみの仲間たち。
そして、なんとなく緊張したような顔つきの参加者がひとり、またひとりとまた入ってくる。2、3人の友人たちと。いやたった1人で。それも続々と。
携帯の画面を指差して、公安(それとは知らず)に場所をききながらたどり着いた人たちが、会場の床に体育坐りをしてはじまりを待っていた。
この日のメーデーは3部構成。
第1部でメーデー宣言集会。フリーター全般労組をはじめ、外国籍住民、日雇い・野宿者支援や反戦団体など、各地各課題に取り組む団体と個人のメーデー宣言と連帯アピール。第2部が大久保発、新宿大ガードをくぐって大久保へと戻るサウンドデモ。第3部、プレカリアート交流集会。
ぼくは都合で屋内集会のほとんどに不参加で、実はこの日の会場での雰囲気、議論の内容はお伝えすることができない。そのような不備を断った上で、あえて書き残しておきたいのは、この日の行動が、何よりも当事者自身のものとなったことだ。
このメーデーには動員がない。一人ひとりの参加者が、不安定雇用層の直面する生き難さを、自分自身の問題として、持ち寄って来た。(ぼく自身を含めて。)派遣社員やアルバイター、契約社員、無職者、失業者……。黙っていれば無限に雇用者の利益に奉仕するだけ。あらかじめ羽根をもぎとられた、手乗り文鳥のような条件の雇用しか見つからない。これからどうやって暮らせばいいのか? ぼやき、悩み、不安、嘆き、恨み、憤り……それを誰に、どこにぶつけたらいいのか?
新宿の大ガードをくぐる時のドラムの天井に跳ね返る音、実感そのものの短いコールの数々、デモ終了時の確信に満ちたおたけび。そして第3部、話者を囲んで自分の意見をとにかくしゃべり続ける参加者のひたむきな顔つき……。行き場のない感情がたまって、皆な破裂しそうになっているのだ。
この日の第3部、不安定雇用層の問題を乗り越えるために、どんな方法があるのか。どんな方向をめざすべきか。そんな切実な問題を俎上に載せた討論「制度活用か? 自治空間か?」——では、おそらく重要なことが話し合われたはずである。
生活保護か、ベーシックインカムか。正規雇用を求めるのか、正規と同じ条件にしろと要求するのか。こたえも考える道筋も そしてまた、会場をともにした一期一会の仲間のこれからも、当然、ひとつではないだろう。
にもかかわらず、明らかだったのは、この日この行動のために集まった参加者のエネルギーは、実行委が準備し用意した入れ物から存分にはみ出して、なみなみとこぼれ、四方へ流れ出していったことだ。
デモや集会で、同じことは2度と起きない。自由と生存のメーデー07は、未知の仲間同士が、抱えた問題を共有し、一同に路上で出会う機会となり得た。そして、これまで分散し、点や影としてしか見えなかったものが、くっきりと生々しく、目前に浮かび上がってきた。あたかもあのデモ中に私たちが変身したブルーシートの塊のように。
追記 翌日、フリーターのメーデー、まともに暮らせる賃金を! という言葉だけが新聞に山ほど踊っていた。でもまてよ。それだけじゃない……。
フリーターの未払い、不当解雇に取り組む労働運動も、そして反戦も死刑廃止も、「生存」を侵し、脅かすものから、削られ、掠められていった「生」を奪い返す闘いとして、ぼくにとっては、ひとつながりのものだ。その横断性を表現するために——ぼくは戦争抵抗者インターのウリとして、このメーデーに参加した。(ウリ東京 中島雅一)
いろんな意味で、ぼくにはいっそう新鮮かつ画期的なものだった。(デモ以外は一部にしか居合わせることができず、あくまで部分的な感想だけど、忘れぬうちに——)
4月30日、朝。予報によると、気温は25度まで上がるとのこと。雨の心配はない。サウンドカーは大丈夫。しかし、どんな人がどれだけくるのか? 前夜の皆の予想では、150〜200人というところ。
会場は、ハングル、中文に派手な地色のにぎやかな看板が目立つ地域。ひる前だったからか、大久保は白っぽくまだ静かだった。会場前に着くと、ショルダーバッグのタスキがけ、野球帽にマスク、ストーカーというか出歯亀というべきか、そんな方々がすでに十数名でお出迎え。3ヶ所に分散したかれらは、時間がたつごとにジャンパー、背広、年嵩で顔色の煤けたのが増えて、あたりを澱ませる。
一方会場には、フリーター全般労組の呼びかけに呼応した労組関係の人びと、そしていつもの?反戦、反基地デモなどで、どこへいってもすれ違う顔なじみの仲間たち。
そして、なんとなく緊張したような顔つきの参加者がひとり、またひとりとまた入ってくる。2、3人の友人たちと。いやたった1人で。それも続々と。
携帯の画面を指差して、公安(それとは知らず)に場所をききながらたどり着いた人たちが、会場の床に体育坐りをしてはじまりを待っていた。
この日のメーデーは3部構成。
第1部でメーデー宣言集会。フリーター全般労組をはじめ、外国籍住民、日雇い・野宿者支援や反戦団体など、各地各課題に取り組む団体と個人のメーデー宣言と連帯アピール。第2部が大久保発、新宿大ガードをくぐって大久保へと戻るサウンドデモ。第3部、プレカリアート交流集会。
ぼくは都合で屋内集会のほとんどに不参加で、実はこの日の会場での雰囲気、議論の内容はお伝えすることができない。そのような不備を断った上で、あえて書き残しておきたいのは、この日の行動が、何よりも当事者自身のものとなったことだ。
このメーデーには動員がない。一人ひとりの参加者が、不安定雇用層の直面する生き難さを、自分自身の問題として、持ち寄って来た。(ぼく自身を含めて。)派遣社員やアルバイター、契約社員、無職者、失業者……。黙っていれば無限に雇用者の利益に奉仕するだけ。あらかじめ羽根をもぎとられた、手乗り文鳥のような条件の雇用しか見つからない。これからどうやって暮らせばいいのか? ぼやき、悩み、不安、嘆き、恨み、憤り……それを誰に、どこにぶつけたらいいのか?
新宿の大ガードをくぐる時のドラムの天井に跳ね返る音、実感そのものの短いコールの数々、デモ終了時の確信に満ちたおたけび。そして第3部、話者を囲んで自分の意見をとにかくしゃべり続ける参加者のひたむきな顔つき……。行き場のない感情がたまって、皆な破裂しそうになっているのだ。
この日の第3部、不安定雇用層の問題を乗り越えるために、どんな方法があるのか。どんな方向をめざすべきか。そんな切実な問題を俎上に載せた討論「制度活用か? 自治空間か?」——では、おそらく重要なことが話し合われたはずである。
生活保護か、ベーシックインカムか。正規雇用を求めるのか、正規と同じ条件にしろと要求するのか。こたえも考える道筋も そしてまた、会場をともにした一期一会の仲間のこれからも、当然、ひとつではないだろう。
にもかかわらず、明らかだったのは、この日この行動のために集まった参加者のエネルギーは、実行委が準備し用意した入れ物から存分にはみ出して、なみなみとこぼれ、四方へ流れ出していったことだ。
デモや集会で、同じことは2度と起きない。自由と生存のメーデー07は、未知の仲間同士が、抱えた問題を共有し、一同に路上で出会う機会となり得た。そして、これまで分散し、点や影としてしか見えなかったものが、くっきりと生々しく、目前に浮かび上がってきた。あたかもあのデモ中に私たちが変身したブルーシートの塊のように。
追記 翌日、フリーターのメーデー、まともに暮らせる賃金を! という言葉だけが新聞に山ほど踊っていた。でもまてよ。それだけじゃない……。
フリーターの未払い、不当解雇に取り組む労働運動も、そして反戦も死刑廃止も、「生存」を侵し、脅かすものから、削られ、掠められていった「生」を奪い返す闘いとして、ぼくにとっては、ひとつながりのものだ。その横断性を表現するために——ぼくは戦争抵抗者インターのウリとして、このメーデーに参加した。(ウリ東京 中島雅一)
鎌田俊彦著『われに告発する用意あり——宮城刑務所 2005年5月〜2006年9月』 ― 2007年05月15日 13:17
牢獄生活は広い世間的生活の縮図だ。しかもその要所要所を強調した縮図——これは、大杉栄「続獄中記」にある有名なくだり。「強調した縮図」という表現にうならされた人は多いだろう。
たとえば勾留理由開示公判で、裁判官や係官が私たちの手の数センチの上げ下げさえを見張り、すぐさま取り押さえて外へ運んでいくようなとき、微かに想像できる「獄中」の生活。しかし、「強調した縮図」の現実に、関心が集まるようなことにはなかなかならない。
先月、鎌田俊彦さんの獄中書簡を編んだ『われに告発する用意あり』(「そうぼう」編集部)がひっそりと刊行された。鎌田さんってだれ? という人のために、扉裏にある鎌田俊彦さんの略歴をそのまま引用する。
1943年中国旧満州生まれ。東洋大学中退。
1971年9月より、交番、米軍通信施設等を連続爆破(同年12月24日には四谷署追分派出所にクリスマスツリー爆弾を仕掛け、爆破)した黒ヘルグループのリーダーとされる。80年3月に逮捕。91年2月に無期懲役の刑が確定。同年5月より宮城刑務所へ移監され、現在に至る。
本書は、その鎌田さんによる「強調した縮図」告発の書だ。2005年5月から始まった宮城刑務所の「異常事態」と、それを隠蔽したいがために所長、刑務官たちが懲役たちに何をしたか?
当時、鎌田さんは「サンデー毎日」という場所を通じて事件を告発した。刑務所で何かに抵抗する、ということの意味を考えれば、鎌田さんの行為は、文字通り身を賭して、という言葉が相当だろう。それから2年、所長らは処分され、そして……。
その顛末を、消し去れぬ記録として残しておくために、今回、この本が仲間によって刊行された。
イラク戦争における米兵による捕虜虐待の風景。そして名古屋刑務所における複数の暴行致死事件とその裁判結果のニュース。本書に登場する、滑稽で強圧的な所長とサディスティックな刑務官たち(けっして多数派ではないと鎌田さんは言い添えているが)。
懲役を、つまり人を人とも思わぬかれらは、相手が人間として対応することをことさらに憎む。密室のなかで、まぎれもない人間が人間に向ける極限的な差別のあり方。
そのただ中から、不自由な交信としてもれきこえてくる鎌田さんの声は、ぽくにはひどくきびしく、シニカルにひびく。しかし、たった一人の闘いをしたものとしての自負をもそこに感じる。
取り扱いは模索舎のみ。
*http://www.mosakusha.com/voice_of_the_staff/2007/04/26/post_32.html
東京近辺以外の人は手に取りづらいかもしれませんが、皆さん、ぜひ読んでください。(MN)
鎌田俊彦著
『われに告発する用意あり——宮城刑務所 2005年5月〜2006年9月』
「そうぼう」編集部発行
B5版 248ページ 1,500円
第一部 名古屋刑務所事件 2002年10月〜2006年12月
第二部 宮城刑務所 2005年5月〜2006年9月 鎌田俊彦獄中書簡
*宮城刑務所事件一覧
*付録・平川輝忠所長前歴
第三部 弁護士たち
舟木友比古 菊田幸一 山本志都
*訴状 *国会質問
第四部 友人から
高田宰夫 亀井洋志 木村京子 永井迅 吉村光男 梶原得三郎 たけもとのぶひろ
[資料]
全国刑務所事件簿 1997年〜2006年 秋山映美
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律施行規則〈抜粋〉
五月病祭 素敵なトークとデモ行進 ― 2007年05月18日 12:36
明日! 天神に巨大な何かが……出るそうです。(MN)
★
五月病祭
素敵なトークとデモ行進
仕事に行きたくない…
これって私のせいかしら?
何かの陰謀なのかしら?
2007年5月19日(土)
[場所]大名カテドラル教会1F講堂 福岡市中央区大名2-7-7 TEL092-741-3687(西鉄グランドホテル前)
[時間]15:00~17:00 雨宮処凛トーク
18:00~ 5月病デモ行進
[料金]前売¥500 当日¥700
[主催]フリーター/非正規雇用労働者ユニオンふくおか 090-2088-5380(小野)
http://blog.fuku-heiwa.main.jp/?eid=629331
~~~トークテーマ~~~
生きづらさの変容?
プレカリアート(無安定階級)の行方
「豊かだけど生きづらい」…そんなことがつぶやかれた時代があったという。いまは「貧しくて、しかも生きづらい時代」かも。「ワーキングプア」「格差社会」…いろんな言葉がメディアを行き交う中で多くの若者たちがジワジワ絞め殺される今…フテ寝しちゃう? それとも闘っちゃう?
雨宮処凛(あまみやかりん)
生活も職も心も不安定さに晒される人々(プレカリアート)の問題に取り組み、取材、執筆、運動中。非正規雇用を考えるアソシエーション「PAFF」会員、フリーター全般労働組合賛助会員、フリーター問題を考えるNPO「POSSE」会員、心身障害者パフォーマンス集団「こわれ者の祭典」名誉会長、ニート・ひきこもり・不登校のための「小説アカデミー」顧問。06年7月より「週刊金曜日」で書評委員をつとめる。
年がら年中木枯らしピューピューやけど…… ― 2007年05月21日 11:00
G君はいろんな事情で東京から田舎へ行った。田舎にかえっても、集会やデモがあるというと東京にでかけていってたんやけど、自分の住んでる田舎でも何かやりたいと思って、集会を計画したらしい。
ところが、当日の参加者は、東京からきてくれた彼の友人だけで、その上もう会場は貸せないと言われてしまったというんや。どんな集会名で、どんな宣伝をしてたのかくわしくはしらんのやけど、地方で孤立している一人ひとりにとってG君のはなしは他人事ではないよな。
このG君のはなしを聞いて向井さんのことを思い出した。
3月の中ごろ、N君と青春18切符で姫路に行ってきた。姫路は向井さんが戦争中に飲み屋で偶然知り合ったフリカドさんいうひとを頼って疎開して、そのまま住み着いた場所なんや。その亀山いうとこは、なんでも秀吉の頃に寺を守って村ごと移住してきたという古い町で、「30年住んでもよそ者やった」と向井さんはいうてたけど、その家まだあるかなあ、いうて探しにいったんや。
「たしか、この家や」とやっとみつけたんやけど誰も住んでる様子はなく、門のなかは荒れ果ててる(写真やとえらいきれいに見えてるけど)。隣の家で聞いてみることにする。80歳くらいのおじいさんが出てきた。「ずいぶん昔ですけど、となりに向井孝さんいう人が住んでましたよね」「ああ、覚えてますよ。玄関先じゃなんやから、まあ中に入りなさい」いわれて、思いがけなくいろんな話をきくことになったんや。
「向井さんいうひとはアナーキストやったですね」
「えっ? なんで知ってるんですか?」
「家の表札に書いてあった」
「ええっ?? アナーキストって、表札に書いてたんですか?」
「いや、日本アナキスト連盟・姫路支局いう札が表札とならんでぶら下がってた」
「ああ、それならわかります。向井さんって、変わった感じでしたか?」
「いいやぁ、ふつうでしたよ。会うとふつうに挨拶しはるし。奥さんとは親しくしてましたし……。
アナーキズムいうのは、無政府主義いうことでっしゃろ。はじめのころは町内の集まりに向井さんもでてきて、無政府主義を主張してはりましたな。でもそれはとおらんかったな……」
向井さんは戦後アナ連に加盟して、アナキストとしていろいろやろうと一人で頑張ってたんやな。まだ向井さん20代のころや。メーデーにいっても赤旗が乱立するなかで、たった一人だけの黒旗で、こころはいつも「ピューピュー木枯らしが吹いてた」いうとった。
そやからG君、地方で仲間をつくるのは、いつでも難しいことやと思うよ。でも各地にはぽつんぽつんとたしかに仲間はいるし、世界に眼を移せばさらにたくさんの仲間がいる。そして、過去にも未来にも、個から出発する仲間が、いつでも存在してるんやってことを、わたしは確信してるで。(風)
どうやら、取調べの可視化がされてないのは日本だけらしいわ ― 2007年05月23日 12:21
もう、おとといやけど、朝ふとんの中でラジオをつけたら、……委員会は(たぶん国連の人権委員会やとおもう)日本政府に対して、代用監獄での取調べをやめるよう勧告を出した——というニュースが耳に入ってきた。
代用監獄いうのは、警察のなかにある留置所のことで、拘置所に送らないで、ここに出来るだけ長く留め置いて「自白を取る」いうのが日本の警察のやり方やけど、(何年も入れられてるひともいる)これが冤罪をつくりだす温床になっていることはもうずいぶん前からいわれてることや。
そしたら、たまたま、きのう送られてきた「殺したんじゃねえもの」——野田事件の犯人とされた青山正さんの冤罪を晴らすため、もう何年も闘っている、救援会のニュース——を読んでたら、森直也弁護士の講演録として、こんなことが報告されてた。
*
……結局のところ、自白が取りやすいというのが可視化反対のすべての理由なんですね。……密室の取調べの中で……暴行・脅迫・利益誘導などで自白が強要されてしまう……では海外はどうかというと……日本の取調べがどうにもならない状況なので世界中に足を運んで、いろんなところを見てきました。結局「取調べの可視化がされてないのは日本だけじゃないか」と。どこに行っても可視化されている。びっくりする状況だったわけです。
もちろんイギリスはされています。テープでの録音の録画もされている。弁護人が立ち会える。これは日本ではありえない。
イタリアもされています。ドイツも可視化されています。フランスでは弁護人の立会いが認められています。オーストラリアももちろん……こういう風に、ヨーロッパ諸国はどこでも録画録音がされています。アメリカは、取調べに弁護人の立会いを求めたら、警察は弁護人の立会いなくして被疑者の取調べは出来ないというシステムがあります。
ではアジアはどうか。アジアもみんなしています。特に韓国がすごい。取調室に二台のカメラが設置されていて、絶対死角がないように、カメラの外で殴ったりできないように部屋全体をとらえています。香港は録音・録画が義務付けられている。……
何度も視察に行くとどこもかしこもやっている。やってない国はないのかと探すと、やってない国はないんです。……「ああ、日本はまだないの?」「おまえの国には憲法があるのか?」という風に云われてしまって、凹んで帰ってくるわけなんです。……
*
へーぇ。わたしも正直おどろいた。ヨーロッパは死刑を廃止してるし、まあそうやろとおもってたけど、アジアもみんな可視化されてるとは知らんかった。
小泉のときから日本も「普通の国」になって「戦争のできる国」にすると安倍は意気込んでるけど、こういうことこそ「普通の国」にしてみせんかい。(風)
*こうしたもんにはなるべくやっかいになりたないけど、万が一のときにこういうのもあって、一定の効果が出てるそうや……
被疑者ノート(取調べの記録)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/legal_aid/on-duty_lawyer/higishanote.html
殺せ、殺してしまえ…… ― 2007年05月25日 18:03
家族を殺されたものが鬼になるのはしかたない。でも、殺せ、殺してしまえと、よってたかってさわいでる人にはあらためて聞いてみたい。(NM)
*
第一に——
まず「いったい誰がするんや」とききたい。「あんたがやるんか」とききたい。
第二に——
「なんでや」とききたい。「あんたはどんな関係やねん」とききたい。
第三に——
「殺ったら満足するんか」とききたい。「何かあんたがトクすることあるんか」とききたい。
第四に——
「わいわい云うて寄ってたかって、人垣のうしろから石なげるようなきたない心が、あんたを動かしてるのとちがうか」とききたい。(以下略)
*向井孝「「あんた」と「ぼく」の場合」(『「オウムに死刑を」にどう応えるか 年報・死刑廃止96』、インパクト出版会、1996)から
*
第一に——
まず「いったい誰がするんや」とききたい。「あんたがやるんか」とききたい。
第二に——
「なんでや」とききたい。「あんたはどんな関係やねん」とききたい。
第三に——
「殺ったら満足するんか」とききたい。「何かあんたがトクすることあるんか」とききたい。
第四に——
「わいわい云うて寄ってたかって、人垣のうしろから石なげるようなきたない心が、あんたを動かしてるのとちがうか」とききたい。(以下略)
*向井孝「「あんた」と「ぼく」の場合」(『「オウムに死刑を」にどう応えるか 年報・死刑廃止96』、インパクト出版会、1996)から
A-Musik LIVE 5/31(木)@新宿ゴールデン街劇場 ― 2007年05月26日 14:02
2005年の3月、入管前の公園で演ったとき以来だから2年ぶり。A-Musik久々のliveがあるそうです。(MN)
*
A-Musik LIVE
5/31(木)@新宿ゴールデン街劇場
tel:03-5272-3537
http://www.geocities.jp/golden_gai_gekijou/basho.html
A-Musik
竹田賢一(大正琴, Vo)
大熊ワタル(Cl)
小山哲人(B)
中尾勘二(Ds)
*終演後、出演者を交えてサミー前田の司会によるトークあり。
料金 ¥3000(当日券のみ)
18:45 OPEN
19:00 START(18:00より整理券を発券します)
メール予約はいぬん堂→info@inundow.com
*50人くらいしか入れない小さな会場ですので、予約をお薦めします!
*
A-Musik LIVE
5/31(木)@新宿ゴールデン街劇場
tel:03-5272-3537
http://www.geocities.jp/golden_gai_gekijou/basho.html
A-Musik
竹田賢一(大正琴, Vo)
大熊ワタル(Cl)
小山哲人(B)
中尾勘二(Ds)
*終演後、出演者を交えてサミー前田の司会によるトークあり。
料金 ¥3000(当日券のみ)
18:45 OPEN
19:00 START(18:00より整理券を発券します)
メール予約はいぬん堂→info@inundow.com
*50人くらいしか入れない小さな会場ですので、予約をお薦めします!
まるで日本中全部を敵にまわしたような安田好弘弁護士をわたしは断乎支持する! ― 2007年05月26日 16:26
光市事件の最高裁がはじまって、待ち構えてたとばかりに安田好弘弁護士に対するバッシングの大合唱や。「STOP THE KOIZUMI」なんてことを掲げてるブログですら、安田さんは「公共敵」と言われてるらしいわ。
そして、あんなヤツは殺せ、殺してしまえの大合唱……
この異常さは、いったいなんなんや。
「一寸の虫五分の魂」とは誰でも知ってる昔からの諺やけど、どんなに悪いことをした者でも、弁護権いうのがある。弁護士なしでは裁判は成立せんいうことになってるはずや。そやから、弁護士が「殺人犯」を弁護して何の不思議があろうか? 弁護士としてあたりまえのことをしてるだけやんか。
引き受けたからには、事件全体をもう一度はじめから洗い直し(といっても警察が証拠の全部をにぎってるから、洗い直すいうてもそれは大変な作業なんや)、ほんまのところはどうやったんか、なんでそういうことをしてしまったんか、具体的な事実を積み上げて、検討して、ちょっとでも「犯人」にとって弁護できる材料を探しだしてこそ弁護人やろ。(そして、警察の捏造ともいえる事実がたくさんでてきてるんや。)
安田さんは、弁護士という職業を選んだものとしてあたりまえの仕事をきっちりこなそうとしてはるだけやんか。
そやけど、この国では、このあたりまえの仕事をする、という弁護士がどれほどおるやろか。刑事事件の弁護は、勝ち目はないし、ほとんど儲からん。国選でまわってきたから仕方なしに引き受けてる、という状況やろ。弁護士という肩書きをもっていても、儲かる民事専門で、実際に刑事事件を担当したことない弁護士いうのが全体の7割というんやから……。
昨日、テレビで安田さんらは死刑廃止運動の宣伝のために、この事件をつかってる、みたいなことをしゃべってたけど、なにしろ「死刑廃止」というのが眼の敵なんやな。
まあ、被害者の家族が犯人を「殺したい」というのはそりゃ当然な気持やと思う。それと全く同じで、「犯人」であっても、いま生きてる人間を「殺さないで」という気持をいだくのも、また人間として、あたりまえの感情とちがうやろか。近ければ近いほどその思いを強くもつにちがいない。
安田さんは「死刑廃止」を信念としてもってはるし、いま「犯人」と一番近くにいるひととして、死刑廃止を訴えるのは当然やんか。マスコミがいうような卑しい心持からであるはずがない。被害者の夫には、誰が考えても充分同情されて当然な立場やから、日本中から同情が寄せられてる。そんななかで「殺人犯」の側に身をおくいうのは、弁護士しかおれへん。
その、いうたら、いま絶対的に弱い立場の「囚われの身の犯人」と「弁護士」を日本中の全体でよってたかってたたくいう状況は、わたしには異常としか思えない。まるで戦時中の非国民に対する罵声に似てる。一人の「凶暴」といわれる「少年殺人犯」と、テレビという公共物を使い、「殺せ!殺せ!」を煽動するマスコミ、匿名で安田さんを「公共敵」といいつのる卑劣さと、いったいどっちが「凶暴」なんやろな。
わたしは断乎、安田さんを支持するで。
それにしても、こんなに光市事件の殺人を憎むひとたちが、イラクやアフガンの戦争で毎日起こっている殺人の元凶であるブッシュや、その支持者の小泉や安倍に、なんでこんなにも寛容なんやろ。わたしにはわからへんわ。(風)
そして、あんなヤツは殺せ、殺してしまえの大合唱……
この異常さは、いったいなんなんや。
「一寸の虫五分の魂」とは誰でも知ってる昔からの諺やけど、どんなに悪いことをした者でも、弁護権いうのがある。弁護士なしでは裁判は成立せんいうことになってるはずや。そやから、弁護士が「殺人犯」を弁護して何の不思議があろうか? 弁護士としてあたりまえのことをしてるだけやんか。
引き受けたからには、事件全体をもう一度はじめから洗い直し(といっても警察が証拠の全部をにぎってるから、洗い直すいうてもそれは大変な作業なんや)、ほんまのところはどうやったんか、なんでそういうことをしてしまったんか、具体的な事実を積み上げて、検討して、ちょっとでも「犯人」にとって弁護できる材料を探しだしてこそ弁護人やろ。(そして、警察の捏造ともいえる事実がたくさんでてきてるんや。)
安田さんは、弁護士という職業を選んだものとしてあたりまえの仕事をきっちりこなそうとしてはるだけやんか。
そやけど、この国では、このあたりまえの仕事をする、という弁護士がどれほどおるやろか。刑事事件の弁護は、勝ち目はないし、ほとんど儲からん。国選でまわってきたから仕方なしに引き受けてる、という状況やろ。弁護士という肩書きをもっていても、儲かる民事専門で、実際に刑事事件を担当したことない弁護士いうのが全体の7割というんやから……。
昨日、テレビで安田さんらは死刑廃止運動の宣伝のために、この事件をつかってる、みたいなことをしゃべってたけど、なにしろ「死刑廃止」というのが眼の敵なんやな。
まあ、被害者の家族が犯人を「殺したい」というのはそりゃ当然な気持やと思う。それと全く同じで、「犯人」であっても、いま生きてる人間を「殺さないで」という気持をいだくのも、また人間として、あたりまえの感情とちがうやろか。近ければ近いほどその思いを強くもつにちがいない。
安田さんは「死刑廃止」を信念としてもってはるし、いま「犯人」と一番近くにいるひととして、死刑廃止を訴えるのは当然やんか。マスコミがいうような卑しい心持からであるはずがない。被害者の夫には、誰が考えても充分同情されて当然な立場やから、日本中から同情が寄せられてる。そんななかで「殺人犯」の側に身をおくいうのは、弁護士しかおれへん。
その、いうたら、いま絶対的に弱い立場の「囚われの身の犯人」と「弁護士」を日本中の全体でよってたかってたたくいう状況は、わたしには異常としか思えない。まるで戦時中の非国民に対する罵声に似てる。一人の「凶暴」といわれる「少年殺人犯」と、テレビという公共物を使い、「殺せ!殺せ!」を煽動するマスコミ、匿名で安田さんを「公共敵」といいつのる卑劣さと、いったいどっちが「凶暴」なんやろな。
わたしは断乎、安田さんを支持するで。
それにしても、こんなに光市事件の殺人を憎むひとたちが、イラクやアフガンの戦争で毎日起こっている殺人の元凶であるブッシュや、その支持者の小泉や安倍に、なんでこんなにも寛容なんやろ。わたしにはわからへんわ。(風)
もう、やんなっちゃうよ…… ― 2007年05月28日 11:14
「警察官の捜査を信用出来ますか」
「信用出来ます」
「証拠によってどのような事実が明らかになったとしても、絶対に死刑を選択しないと決めていますか」
「決めていません」
「くじびきで全国民から選ばれる」という裁判員制度。2009年5月、こんな人だけが選ばれるらしい。
裁判員たちに「公正」を偽証させながら、権力と法は厳罰と合法的な殺人を、思いのままに繰り返すことができる。自らは、無傷のまま。
なんとも便利で残酷な仕組み。(MN)
↓こちらのblog、ぜひ参照してみてください。
*保坂展人のどこどこ日記
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/d/20070526
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/d/20070527
*情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/d/20070526
「信用出来ます」
「証拠によってどのような事実が明らかになったとしても、絶対に死刑を選択しないと決めていますか」
「決めていません」
「くじびきで全国民から選ばれる」という裁判員制度。2009年5月、こんな人だけが選ばれるらしい。
裁判員たちに「公正」を偽証させながら、権力と法は厳罰と合法的な殺人を、思いのままに繰り返すことができる。自らは、無傷のまま。
なんとも便利で残酷な仕組み。(MN)
↓こちらのblog、ぜひ参照してみてください。
*保坂展人のどこどこ日記
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/d/20070526
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/d/20070527
*情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/d/20070526